製薬会社の糖尿病領域の今後をデータで紐解く!キーワードは2022年!!
製薬会社の糖尿病領域と言えばプライマリーの代表格です。
その糖尿病領域の今後を糖尿病メーカーに聞いても、
「今後の糖尿病はヤバイ。。。」
としか答えが聞けませんでしたので、自分で調べてみました!笑
その結果、
- 2018年1Qの全糖尿用治療薬売り上げ金額ベースが前年度を下回る
- 今後、世界は好調。日本は2022年を境に縮小
- DPP4阻害薬が売れすぎている
- 期待の新薬が少ない。。。
こんな感じになりました。
今、不安や不満がなくても糖尿病領域の若手MRは間違いなく転職をした方が良いです!
今後伸びる領域は「免疫」「中枢神経」「ガン」だと言われています。
できればそれらの領域に、、、
万が一無理でも、プライマリーとして免疫薬を担当できるような会社にどんどん移動していく必要を感じます。
転職の必要性を感じているなら、ビズリーチのエージェントは本当におススメでしたよ。
プロフィールをみてエージェントからメールでのアプローチもあるので、レジュメはしっかり書いておくことをおススメします!(希望とか。。。)
実際エージェントと話してみた感想はこんな感じです。
- キャリアの幅を広げる提案をしてくれた
- 年収は補助も含めて落とさないように会社と折衝する
- 1つ提案頂いた会社を辞退しても、淡々としている
このまま糖尿病領域のMRとして活躍するよりも、伸びる領域に転職することも視野に気になる方は本文を読んで頂ければ幸いです。
目次
現在の糖尿病薬を取り扱う製薬会社の一覧
調べてみたのですが、糖尿病の領域は大手から中堅の製薬会社の主力製品が軒並み扱っていますね。。。
よく糖尿病内科の前で面会待ちのMRを見てて、多いなぁ~と感じていましたが、約20社。。。
正直ここまで多いとは思いませんでした。
(万が一、抜けているメーカーさんがいたらコソッと教えてください。。。)
会社名 | 主な主力製品 | |
1 | 武田薬品 | アクトス |
2 | 第一三共 | テネリア |
3 | アステラス | スーグラ |
4 | ノバルティス | エクア |
5 | MSD | ジャヌビア |
6 | 田辺三菱 | カナグル |
7 | イーライリリー | ヒューマログ |
8 | ノボノルディスク | ノボラピッド |
9 | 小野薬品 | グラクティブ |
10 | ベーリンガー | トラゼンタ |
11 | 三和化学 | スイニー |
12 | 興和 | スイニー |
13 | 協和発酵キリン | オングリザ |
14 | サノフィ | ランタス |
15 | 持田 | ファスティック |
16 | キッセイ | グルファスト |
17 | 大日本住友製薬 | メトグルコ |
18 | 大正富山 | ルセフィ |
19 | アストラゼネカ | バイエッタ |
その中でも熾烈すぎるDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬
競合の多さで考えると、激戦なのがDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬。
SGLT2阻害薬はベーリンガーのジャディアンス以外は1成分2社がPRしている熾烈にもやりすぎな状況です。。。
SOVの典型的な売り方の最後かもしれませんね。。。
DPP4阻害薬を取り扱う製薬会社一覧
会社名 | 製品名 | |
1 | MSD | ジャヌビア・マリゼブ |
2 | 小野薬品 | グラクティブ |
3 | ノバルティス | エクア |
4 | 武田薬品 | ネシーナ・ザファテック |
5 | ベーリンガー/イーライリリー | トラゼンタ |
6 | 田辺三菱/第一三共 | テネリア |
7 | 三和化学/興和 | スイニー |
8 | 協和発酵キリン | オングリザ |
SGLT2阻害薬を取り扱う製薬会社一覧
会社名 | 製品名 | |
1 | アステラス/MSD | スーグラ |
2 | アストラゼネカ/小野薬品 | フォシーガ |
3 | 大正富山/ノバルティス | ルセフィ |
4 | サノフィ | アプルウェイ |
5 | デベルザ | 興和 |
6 | 田辺三菱/第一三共 | テネリア |
7 | ベーリンガー | ジャディアンス |
糖尿病薬の進歩
ただ製薬会社が初めから糖尿病に力をいれて開発してきた訳ではありません。
糖尿病領域では老舗の「イーライリリー」「サノフィ」「ノボノルディスク」は先生やスタッフからの信頼は別格だと聞きました。
このように熾烈になりすぎたのは、やはりDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の登場です。
ただDPP4阻害薬は糖尿病治療を画期的に変えた薬剤であることは間違いありません。
僕の担当の先生も専門外ですが、めちゃくちゃ使っています。
一番の評価は「低血糖の心配がない」事だそうです。
それまでSU剤を中心に血糖コントロールをしていたが、まちまち低血糖が起こり、糖尿病内科の先生にお世話になったと聞きました。
ただ現在はDPP4阻害薬単剤だけでは、低血糖の経験はなく、非専門医でも安心して血糖をコントロールできるようになったのは、良い事だと教えてもらいました。
ただ、、、参入会社が多すぎたのが問題だったんでしょうね。。。
これまでの製薬会社の糖尿病治療薬全体の売上金額の伸びを検証してみる
2011年からIQVIAに四半期ごとの糖尿病治療薬の売上金額の推移が乗っていましたので、まとめてみました。
引用:IQVIAデータ
棒グラフ(水色:1-3月、黄色4-6月、緑色7-9月、赤色10-12月)の年ごとの市場の変化を表しています。
線グラフは前年比を表しています。
個人的に注目したのは、2018年1-3月に初めて前年比を割りました(-0.1%)
まだ一度だけなので、なんとも言えませんが、初めてマイナス成長です。
ちなみに後発品が侵食している最新のARB市場や脂質異常症市場は前年比-25.8%や-18.9%と笑えないくらい落ちています。
いつ製薬会社の糖尿病バブルの時代は終焉するの?
糖尿病治療薬に限ったことではありませんが、後発品が発売されれば売上が落ちます。
糖尿病領域においては2022年まで市場が拡大して、そこから衰退していくとデータでまとめられています。
■糖尿病治療剤 4,492億円(8.1%減)
~治療患者数増加もジェネリック医薬品の侵食が進み2022年(5,262億円)をピークに市場縮小~
※生活習慣病領域は、1兆1,498億円。患者数も多く市場規模も大きいが高血圧症治療剤、脂質異常症治療剤などをはじめジェネリック医薬品の影響を受け、市場は縮小している。
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫)は、多くの患者数を誇る糖尿病治療剤をはじめとした生活習慣病領域の国内市場を調査した。<注目市場>
■糖尿病治療剤(生活習慣病領域)糖尿病治療剤は、患者の増加に合わせて市場拡大してきた。副作用が少なく、血糖コントロールがしやすいDPP‐4阻害剤の登場や、発売当初は副作用に関する懸念から高齢者には慎重投与とされていたSGLT2阻害剤が、「SGLT2阻害剤の適正使用に関するレコメンデーション」にて、「75歳以上の高齢者あるいは65歳から74歳で老年症候群のある場合には慎重に投薬する」と具体化されたことから処方対象が広がり、市場拡大につながっている。今後は、2022年ごろまでDPP‐4阻害剤やSGLT2阻害剤がけん引し、市場は拡大するが、それ以降はジェネリック医薬品の侵食が進み縮小が予想される。
これは富士経済がまとめたデータが日本経済新聞に掲載されていましたので、引用させて頂きました。
市場をけん引してきたDPP4阻害薬やSGLT2阻害薬のジェネリックが2022年に登場してきそうですね。。
発売順にいけばジャヌビアやエクア、ネシーナあたりが出てくると予想されます。
全糖尿病製品売上ランキング2017 ~100億円以上~
現在、糖尿病領域をけん引している薬を調べてみました。
これらの製品がジェネリックに変わった時が一番MRの雇用にも影響を与えるので重要だと考えているためです。
2017年度の糖尿病治療薬の売上順位は次の通りです。
製品名 | 会社名 | 売上金(億円) | 前年比 | |
1 | ジャヌビア | MSD | 672 | -5.2% |
2 | トラゼンタ | ベーリンガー | 406 | 5.5% |
3 | ネシーナ | 武田薬品 | 301 | -8.5% |
4 | エクア | ノバルティス | 289 | -14.0% |
5 | グラクティブ | 小野薬品 | 274 | -6.7% |
6 | テネリア | 第一三共 | 263 | 8.8% |
7 | エクメット | ノバルティス | 209 | 86.6% |
8 | トルリシティ | 大日本住友 | 159 | 135.1% |
9 | スーグラ | アステラス | 116 | 22.5% |
10 | フォシーガ | 小野薬品 | 111 | 41.8% |
11 | ジャディアンス | ベーリンガー | 110 | 166.9% |
12 | メトグルコ | 大日本住友 | 109 | -2.8% |
予想はしていたのですが、DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬、それらの配合剤のオンパレードですね。。。。
これらの特許が切れる2022年は糖尿病メーカーにとって大きな変革期になるのは間違いないです。
今後の糖尿病領域における開発品一覧
正直、期待されている糖尿病治療薬については1つだけ見つけました。
ただ、、、基本的に糖尿病腎症の開発に注力をいれていそうな感じですね。
しかもそれにリンクしてかわかりませんが、透析になれば医療費が増大する問題から国策として糖尿病重症化予防策が打たれています。
国とタッグを組んで今から土台作りをしているんですかね??
糖尿病治療の期待の新薬~オゼンピック~
基本的にDPP阻害薬のような機序が治療のスタンダードになっていますので、GLP1製剤としてのオゼンピック(ノボノルディスク)は期待できます。
まずは注射剤として発売(既に承認されていた。。)されて、その後に、経口薬として発売されるようです。
経口剤であることが既に差別化できており、利便性に特化した製品になります。
リリーのMRにも聞いてみたんですが、同じ注射剤としては、トルリシティVSオゼンピックに関してはトルリシティが利便性で活用です。
ただ経口薬になれば分からないと言っていました。
その隣にいたノバルティスのMRに教えてもらったんですが、傾向のGLP1製剤はDPP4阻害薬を扱っている製薬会社が一番恐れていると言っていました。
そのため、配合剤にシフトしていると教えてもらいました。
武田薬品が糖尿病治療からの撤退を表明
武田薬品の開発するGPR40にかなりの期待を寄せていました。
そのため、開発中止とともに株価が大きく下がったことを覚えています。
そして、、、武田薬品は現在の売上の柱である糖尿病の分野への開発を中断することを決めました。
長期的に見て、糖尿病領域からの撤退を意味しています。
シャイアーの買収やエンタイビオへの期待を含めても、やっぱり希少疾病へ舵を取っている(取らざるを得ない?)のは明らかです。
世界の糖尿病市場と製薬会社の伸び率
2022年を境に日本の糖尿病市場はDPP4阻害薬のジェネリックとともに衰退してくことは明確です。
世界に目を向けてみたら、患者数は増大しているので、まだまだ伸びる分野だと分かります。
世界に販売網がある外資系製薬会社としては、糖尿病はまだまだおいしい分野で投資もしていく可能性は十二分になります。
まとめ
日本の代表的なプライマリー領域と言えば「糖尿病」でしょう!
以前は「ARB」
その前は「スタチン」
現在、ARBやスタチン市場で賑わった製薬業界の中で動かなかった人たち(40歳以上のプライマリーMR)は真っ先にリストラの対象になっています。
今、不満がない事はとても良い事ですが、気付いた時には既に転職先がない場合もあります。
早くから行動しておく必要がありますし、それは入社1年目から重要なことです。
情報収集目的でビズリーチに登録してますし、そのエージェントとのやりとりや情報収集目的で無料登録してみた感想などの記事もありますので、併せて読んで頂ければ、きっと役に立ちます!
使ってみての注意点は「ビズリーチはエージェントからのアプローチもありますので、レジュメはしっかりと希望を書いておいた方が良いです!」
今、行動を起こして楽しいMR人生を過ごしましょう!!